9月定例会に当たり、提出議案の説明に先立ちまして、6月定例会以後の主な事項について、概要を御報告申し上げます。
- 東日本大震災への対応状況等について
- 大館市本庁舎建設検討委員会の設置について
- 平成23年度の市税等の収納状況と未収債権対策について
- がれきの受入れ検討の中止について
- 大館市環境マネジメントシステムの登録更新について
- 大館市エコフェアの開催について
- 農作物の生育状況等について
- 大館市クマ出没警戒対策室の設置について
- 雇用情勢について
- 企業誘致の状況等について
- 本場大館きりたんぽまつりin大館樹海ドームについて
- 大館市観光大使の任命について
- 夏季イベントの開催について
- 学びを通じた被災地の地域コミュニティ再生支援事業の実施について
- 平成24年度成人式について
- 平成24年度国民体育大会東北ブロック大会兼第39回東北総合体育大会について
- 公共事業の進捗状況について
1 東日本大震災への対応状況等について
8月24日現在の本市への避難者は14世帯38人となっており、6月定例会で御報告申し上げたときより3世帯6人減少しております。
市では、この夏、被災地支援の一環として、秋田県が7月21日から9月2日まで実施する「ふくしま子どもリフレッシュ支援事業」により、これまでに、1世帯4人の親子を受け入れたところであります。
一方、東京電力への損害賠償請求につきましては、福島第一、第二原子力発電所の事故から生じた損害について、秋田県及び県内18市町、並びに広域市町村圏組合など4事業組合とともに、7月11日に第1回目の請求をいたしました。請求額は、放射性物質の測定委託費、測定機器購入費、農産物検査事業への補助金等、合計103万4,775円であります。今回の請求では、県の方針に合わせ人件費等を含めておりませんが、精査の上、2回目以降に請求する予定としております。
本市の防災体制整備としましては、8月20日に、市を調整役として自衛隊、大館警察署、大館市消防本部で構成する「大館市防災連絡協議会」を設立いたしました。災害発生時の迅速な救援活動や復旧活動を目指したもので、9月2日の大館市防災訓練では、災害情報の収集・共有化訓練も実施する計画であります。
2 大館市本庁舎建設検討委員会の設置について
市では、東日本大震災を踏まえ、本庁舎の今後の在り方を検討する委員会を設置し、8月21日に第1回目の委員会を開催したところであります。
委員会は、広く意見を反映できるよう、一般公募による3人、各種団体からの推薦による学識経験者3人、公共的団体等からの代表者5人、これに市職員2人を加えた合計13人で構成されております。
今後、委員会は4、5回開催され、来年2月を目途に答申の予定であり、委員会の内容等につきましては、逐次議会へ報告し、御相談申し上げますので、よろしく御理解、御協力をお願いいたします。
3 平成23年度の市税等の収納状況と未収債権対策について
一般市税は、現年度分の収納率が前年度を0.48ポイント上回る98.72パーセントとなり、収納額は前年度比1億1,723万円増の81億2,878万円で、滞納繰越分を合わせた未収残高は、前年度より1,745万円減少し、6億6,381万円となっております。
また、国保税は、現年度分の収納率が前年度を上回り、滞納繰越分を合わせた未収残高は、2,007万円減少し、6億3,935万円となっております。
市税等の滞納対策については、休日納付・相談窓口を開設して効果を上げているほか、悪質な滞納者に対しては、給料、預貯金等の債権差押えを中心に滞納処分を行っており、県内における本市の現年度分収納率は、速報値で、県内13市中、一般市税がトップ、国保税が3番目となっております。
一方、税外収入金の現年度分収納率も前年度を上回り、滞納繰越分を合わせた未収残高は、前年度より2,582万円減少し、3億762万円となっております。
今後も、市の債権全体についてきめ細かな納付指導を行い、新規滞納の抑制を図るとともに、必要な場合は法的措置も含めた滞納処分を検討しながら、未収債権の整理に努めてまいります。
4 がれきの受入れ検討の中止について
がれきの受入れについては、現地の中間処理施設が稼働したことを受け、燃焼試験に向けた準備を進めておりましたが、8月9日、秋田県から「環境省及び岩手県の決定に基づき、大館市には がれき受入れを依頼しない」との通知があり、同日をもって受入れの検討を中止いたしました。
市では、がれきの処理が被災地の早期復興の最重要課題であると認識し、がれきの性状や分別の状況、放射性セシウムの濃度、異物混入の度合いを十分に調査・検証するなど、市民の安全確保を最優先とした上で、一つ一つ必要な手順をしっかりと踏みながら、可能な限り迅速に対応してきたものであります。
今後は、市としてどのような支援ができるかについて、議会に御相談申し上げながら、対応してまいりたいと考えております。
5 大館市環境マネジメントシステムの登録更新について
ISO14001規格に基づく本システムについて、去る7月18日から20日までの3日間にわたり、審査登録機関による3年に1度の国際認証登録の更新審査を受審いたしました。
審査員からは、「地域環境の承継」を理念とする環境方針の下、再生可能エネルギーである木質ペレットの活用や廃食用油の燃料化、コンポストセンターの運営により、幅広くバイオマスを活用していることや、LED照明や太陽光発電システムの積極的な導入により省エネルギー化計画を推進するなど、本システムを施策全体に活用して、地方公共団体として先進的な環境事業を展開している点について、高い評価をいただきました。
その結果、8月20日に開かれた登録判定委員会において、ISO14001規格に「適合している」との判定をいただき、4度目となる国際認証の登録更新が決定したところであります。
6 大館市エコフェアの開催について
リサイクルや省エネルギーなど環境に対する理解を深めていただくイベント「大館市エコフェア」を、7月14日、15日の両日、大館樹海ドームで開催し、2日間で約2万3,000人の御来場をいただきました。
会場では、市内の環境関連企業を中心に11の企業や団体が、製品の展示やカタログの配布で事業を紹介いたしました。また、今年で6回目となる東北最大規模の「マンモスフリーマーケット」、間伐材で作った木製のはがきを、被災した岩手県大船渡市の小学1年生へ贈呈する「木はがきプロジェクト」、生活様式や住宅の構造に合わせた省エネを提案する「うちエコ診断」など、多くの家族連れでにぎわいました。今後も、こうしたイベントを通じてリサイクルや省エネルギー情報を発信し、市民の環境意識の向上を図ってまいります。
7 農作物の生育状況等について
7月の高温・少雨により河川の水量がかなり低下し、圃場は全体的に乾燥・水不足の状況でしたが、お盆前後の降雨によりほぼ解消されております。
水稲については、葉いもち病の発生は例年並みですが、カメムシの発生が多いことから、「コメ通信」等を活用し、病害虫防除の徹底や気象変動に応じた湛水管理について注意を呼びかけております。出穂盛期は8月4日と、平年より1日早く、穂揃い、登熟ともに概ね良好で、草丈は短く、茎数は多く、葉色は平年並みとなっております。
一方、平成23年度から本格実施となった農業者戸別所得補償制度につきましては、個人1,881件、法人13件、集落営農17件、合計1,911件の加入申請があり、主食用米の作付面積は3,196ヘクタールとなり、昨年より33ヘクタールの増となりました。
次に、野菜についてでありますが、7月の干ばつ傾向により、各作物とも生育の遅れが見られ、全体的に数量減の傾向にあります。主な品目では、枝豆は平年より2日早い7月22日から出荷が始まり、品質は良いものの収量が少なめで、価格は高めで推移しております。アスパラガスは、少雨の影響で品質の低下が見られ、収量も少なめとなっております。
果樹は、ナシ、リンゴともに、開花時期・開花量・結実率のいずれも、ほぼ平年並みの状況であります。
8 大館市クマ出没警戒対策室の設置について
本年は、市内でのクマの目撃情報が例年にない頻度で寄せられ、農作物や比内地鶏に被害が出ていることから、厳重な注意、警戒が必要として、去る7月23日、庁内に「大館市クマ出没警戒対策室」を設置いたしました。
また、大館警察署及び大館市猟友会との連絡会議を開催し、三者が連携して警戒に当たり、必要に応じて駆除することを確認したところであります。
8月20日現在の目撃情報は、例年の約2倍に当たる183件で、養蜂、家畜の飼料、比内地鶏、ナシ、リンゴ、スイカ、トウモロコシなどが食害に遭っていることから、捕獲用の檻を2基増設して7基とし、23件の捕獲申請により13頭を駆除しております。
例年、これから降雪期までクマの出没が多くなり、被害の増加が予想されることから、引き続き厳重な警戒に当たることとしております。
9 雇用情勢について
来春の市内高校卒業予定者の就職動向についてでありますが、7月末現在、就職希望者274人のうち172人が県内就職を希望しております。市内企業の求人数は48事業所144人で、昨年同期との比較では26事業所42人増と出足は好調でありますが、来春も就職率100パーセントとなるよう、地元企業への早期求人を働きかけているところであります。
一方、6月のハローワーク大館管内の有効求人倍率は、0.67と、昨年同期との比較では0.16ポイント上回っておりますが、景気の動向は依然不透明であり、継続的な雇用対策が求められております。
緊急雇用創出臨時対策基金事業による雇用状況については、平成21年度から23年度までの3年間で196事業624人を雇用し、その約6割が次の雇用につながっているとの結果が出ており、次の就労までの短期雇用を確保するという意味では、一定の成果が得られたものと思っております。本年度も当初予算で33事業121人の雇用を確保し、さらに、「大館の魅力情報発信事業」、「特別支援教育支援員配置事業」の拡充、「通り再生ロードマップ作成事業」など8事業を創出し、26人の雇用を見込んでいるところであり、本定例会に関係予算案を提出しておりますので、よろしく御審議をお願い申し上げます。
10 企業誘致の状況等について
二井田地区の工業団地では、木村食品工業大館工場が、受注量増加に対応するため、本年2月から同社敷地内で施工していた野菜パック工場の増設が完了し、6月15日から操業を開始しております。投資額は約4,100万円、新規雇用者数は12名で、市では同日付けで工場等設置促進条例による指定工場としております。
また、ニプロでは、人工肺関連装置の研究、開発のための第6工場を建設中であり、投資額は約35億円、10月の操業開始までに10名の新規雇用を見込んでおります。
ニプロファーマでは、バイオ製剤棟、抗がん剤製造棟及び物流棟を建設中であり、投資額は合計で約80億円、8月から来年4月の操業開始までに25名、5年後には96名の新規雇用を見込んでおります。
一方、東北センバ大館工場では、グループ企業の事業再編に伴う新たな製造拠点等として、工場及び倉庫を建設中であり、投資額は約20億円、10月の操業開始時の新規雇用者数は7名、将来的には15名を見込んでおります。
また、福山通運では、県北地域の配送業務を行うため、配送センターを建設中であり、投資額は約2億5,000万円、来年2月の業務開始までに新規雇用者13名を見込んでおります。
このほか、新館工業団地では、サンテックスが10月の生産センター操業開始に向けて準備中であり、また、菅谷地地区では、シムコが投資額約5億5,000万円で大館GGPセンターを建設し、10月の操業開始に向けて準備を進めております。
さらに8月24日、秋田市に本社を有するトヨタL&F秋田が、県北全域への事業展開のため羽貫谷地工業団地に新たな用地を取得し、来年4月の業務開始に向け大館店を移転新築することとなりました。
本年度は現時点で8企業10工場、合計約150億円の新規投資が見込まれており、その多くは本市に立地する企業が業績を伸ばすなどして新増設等をしていることが特徴で、これにより100人以上、また将来的には200人以上の新規雇用が図られ、有効求人倍率や高校卒業者の就職率向上など、先に述べた雇用環境の改善にも大きく寄与するものと期待しております。
今後も、既存企業への支援と併せて、企業誘致をさらに推進するとともに、受け皿となる工業団地の拡張、整備や空き校舎など公共施設の活用にも取り組んでまいりますので、よろしく御理解、御協力をお願い申し上げます。
11 本場大館きりたんぽまつりin大館樹海ドームについて
10月13日、14日の両日開催される「本場大館きりたんぽまつりin大館樹海ドーム」は、実行委員会により準備、PRが順調に進められております。
市内向けのPRについてでありますが、広報おおだてへチラシを折り込んだほか、企業、関係団体等にもポスターやチラシを配布しております。また、中心市街地にある35の飲食店の御協力により、関連イベント「夜の大館巡り店・酒・人」を開催し、きりたんぽまつりの周知と飲食店の活性化が同時に図られたものと思っております。
一方、市外に対しましては、秋田市、青森市、八戸市、弘前市、盛岡市、仙台市にある旅行代理店44社を訪問し、ポスターとチラシを配布して大館ときりたんぽまつりをPRしております。
出店業者につきましては、市内のきりたんぽ専門店や飲食店など約70事業者が確定し、8月1日からは市内大型店などで前売り券の販売を開始したところであります。
まつり当日は混雑が予想されることから、長根山運動公園と御成町二丁目交差点からシャトルバスを運行し、来場者の利便性を確保することとしております。
12 大館市観光大使の任命について
本市の観光大使としましては、昨年7月1日付けで、白神フーズ社長の根田哲雄氏、東京芸術大学准教授の中村政人氏、日経BP社ビズライフ局長の麓幸子氏、秋田犬保存会東京支部長の村松進氏の4氏を任命しておりますが、このたび新たに、本市出身のシンガーソングライター因幡晃氏を8月1日付けで観光大使に任命いたしました。
因幡氏には、10月13日、14日に開催される「本場大館きりたんぽまつりin大館樹海ドーム」のステージイベントへの出演を契機に、大使に御就任いただくこととなりました。
これまでの大使同様、本市のPR活動を展開していただくほか、定期的に開催する懇談会での御提言を、市の観光施策に反映させてまいりたいと考えております。
13 夏季イベントの開催について
①大館バラまつりについて
春先の低温が心配されましたが、6月9日から16日間にわたって開催した「大館バラまつり」には、昨年を4,000人上回る約4万1,000人の来園がありました。恒例の大館ばら会によるコンテストを初め、バラの苗木や関連商品の販売、コーヒーショップなども来園者から御好評をいただきました。
②大館大文字まつりについて
8月16日に予定しておりました「第45回大館大文字まつり」は、降雨、強風の悪天候のため、大文字踊り・大文字焼き・花火大会など、昭和62年以来2度目の全部中止となりました。
本市の夏の一大イベント中止を惜しむ声は多く、実行委員会では、花火打ち上げ許可や業者日程を調整し、最短となる1カ月後の9月16日に、大文字焼きと花火大会を実施することといたしましたので、よろしく御支援、御協力をお願いいたします。
③田代地域の夏季イベントについて
8月18日、「第47回大鮎の里ふるさとまつり」では、鮎の千匹焼きや盆踊りなど多彩なイベントが繰り広げられ、多くの市民でにぎわいました。
また、半夏生田代岳清掃登山や米代川の川下り、全国鮎つり大会など、いずれも地域の自然を活かしたイベントとして、多くの方々に御参加いただいており、今後も継続してまいりたいと考えております。
14 学びを通じた被災地の地域コミュニティ再生支援事業の実施について
市では、東日本大震災における被災地の自律的な復興を支援するため、国の委託を受け「学びを通じた被災地の地域コミュニティ再生支援事業」を実施することにいたしました。
本事業では、岩手県釜石市との防災教育や学力向上などを目的とした教職員の交流、宮城県気仙沼市との家庭教育や子育て支援などを目的とした職員の交流を予定しております。
本市で取り組んでいる「学校支援地域本部事業」や「ふるさと・キャリア教育」、「家庭教育推進事業」などのさまざまな教育事業は、被災地のニーズに即した支援につながり、また、被災地との交流は大館の地域づくりにとっても貴重な機会になるものと考えております。
15 平成24年度成人式について
去る8月15日、市民文化会館において「平成24年度成人式」が対象者の78.1パーセントに当たる593人の参加により盛大に行われました。
新成人代表からは「成人という節目に行動を見つめ直し、周りに対する感謝の気持ちを忘れずに今後も過ごしていきたい。これまで育ててくれた家族、そして、地域の方々の期待にそえる人間になることを誓う」との力強い決意が述べられ、式典後には、恩師や級友との再会を喜び、近況を報告し合う姿が見られました。
市議会議長を初め、御来賓の皆様にはお忙しい中を御出席いただき、新成人を祝福してくださいましたことに、改めてお礼を申し上げます。
16 平成24年度国民体育大会東北ブロック大会兼第39回東北総合体育大会について
昨年8月から準備を進めてきたミニ国体のソフトテニス及びバスケットボール競技が、8月17日から19日まで高館テニスコート、樹海体育館を会場に開催され、成功裏に終了することができました。
東北各県から訪れた選手、監督は約360人、来場者数は、ソフトテニス競技が2日間で1,300人、バスケットボール競技は3日間で3,230人となりました。
本大会の成功は、競技関係者を初め、高校生、審判員など多くの皆様の御支援、御協力によるものと深く感謝申し上げます。
17 公共事業の進捗状況について
本年度の公共事業については、上半期で発注率85パーセント以上を目標としており、概ね達成できる見込みで推移しております。
主な事業の進捗状況でありますが、5月に発注した東館・大地区の光ブロードバンド整備事業は、進捗率が12パーセントとなっております。
農業関連では、比内地鶏 鶏糞処理施設の敷地造成工事を8月に発注したところであり、10月中旬には施設建築工事を発注する予定であります。また、農業集落排水事業では、餌釣及び山館地区で処理施設の機械設備更新等を行っており、進捗率は10パーセントとなっております。
道路関連では、釈迦内松木立花線などの「社会資本整備総合交付金事業」と有浦二ツ屋区画2号線などの「狭あい道路整備等促進事業」が、それぞれ40パーセントの進捗率となっております。
教育関連では、中央公民館のエレベータ設置工事を5月に発注し、進捗率は30パーセントとなっております。
御成町南地区土地区画整理事業では、前年度からの繰越分を含めて、進捗率は70パーセントとなっております。
また、新たに312区画を増設する小柄沢墓園造成事業については、8月に発注したところであります。
水道事業では、観音堂地内の配水管布設工事が30パーセント、御成町一丁目ほかの配水管布設替工事が平均で45パーセント、中山取水場及び山館浄水場自家発電機設置工事が30パーセントの進捗率となっており、11月には完成予定であります。
下水道事業では、大館地域の有浦三丁目ほか、比内地域の味噌内地区、田代地域の茂屋地区において本管埋設工事を行っており、進捗率は平均で30パーセントとなっております。
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